天国へ行ってきますニャ
こんにちは、ボク、マロンです。
ボクは、2013年10月17日の夜、天国に行くことになりました。
ボクが決めたのかニャ?
誰が決めたのかニャ?
それは、だれにも分かりません。
でも、決まったことなのです。
天国というところはどういうところか知りません。
なんせ、行ったことがないところなのでありますから。
ネコ学校の授業でもそのようなことは教えてくれませんでした。
そして、飼い主の涼子さんも、そのツレさんも、そのほか、だーれも知らないところなのであるそうですニャ。
でも、ボクは、その、天国に行くことになりました。
今年の春に消化器に悪性リンパ腫(ガン)が発生して、それ以降、つい先日まで、抗がん剤というお薬で闘ってきました。
先週末には、かかりつけの動物病院の先生にも
「半年以上、こんなに元気にいてくれて、頑張ってるな、マロン君」
と言ってもらったばかりでした。
発症以来、二度目のレントゲン検査の結果からの診断で、
「腫瘍は見当たらないから、五分五分ですね。抗がん剤は強くて辛いものなのに、よく、ここまできてくれたね、マロン君。少し投薬をやめて様子を見てみましょう」
と言ってもらって、数日間、様子を見ていたところなのでした。
ガンのせいか、抗がん剤のせいか、そのどちらかは分かりません。
ただ、この一ヶ月以上カリカリやお水を自分で飲めなくなって、
ずっと涼子さんに「強制給餌」という形で、毎日シリンジでa/d缶というエサを口に入れてもらって、
ボクも一生懸命飲み込んでいたので、数日前まで、小康状態でした。
毎日毎日、ずっと涼子さんに、そして夜は涼子さんのツレさんに撫でてもらう日々でした。
でも、ボク、きっと、疲れてしまったかもしれません。
そして、涼子さんも、そして、彼女を見守る、やさしいツレさんも、そして、お二方のご両親にも、お友だちたちにも、
心配をかけて、疲れさせてしまったのかもしれません。
涼子さんに付き添われながらボクがずっとお家でしょんぼりしている矢先のこと、
ツレさんのお義母様、お義父様がお見舞いにきてくれました。
ボクは、足にすりすりしたり、ぴょんと机に乗っかたりしてみました。
また、久しぶりに、一昨日、Nちゃんという、ボクのことを小さな頃から可愛がってくれていた涼子さんのお友だちがボクのお見舞いに来てくれました。
いつもはボクはだっこしてくれたり、撫でなでしてくれたり、すりすりしてくれたりと、
心優しく、そして、しっかりもの、ボクの(そして涼子さんの)自慢の女の子です。
今回は、しょんぼりしているボクをみて、「軽くなったね」と言いながら少しの間だっこをしてくれて、
でも、ボクの様子を見て気を遣ってくれたようで、
帰る際も、
「マロンが楽なようにしておいてあげよう」と
かくれんぼしたままのボクの目を見て何度もバイバイしてくれました。
昨日もまた久しぶりに、涼子さんのママさんがお見舞いにきてくれて、
ボクを愛おしそうに撫でなでして、「一番はマロンが辛くないといいね」と優しい言葉をかけてくれました。
ボクは、そのとき、ひさーしぶりに「ニャ〜〜〜〜ンゴ」と鳴き声をかけたのです。
涼子さんはびっくりしていました。
なんでだったんだろうニャ?
ボクは、とってもうれしかったのです。
ボクのことは心配しないでニャ、と伝えたかったのです。
ボクは、大好きなひとが来てくれて、とってもうれしかったのです。
鳴き声をあげるのは本当に久しぶりで、涼子さんは腰を抜かす程にびっくりしていました。
何度でも言います。
ボクは、大好きなみなさんと会えて、とってもとってもうれしかったのです。
今日は、あまりに元気がない様子のボクを涼子さんが心配して、昼過ぎに病院に連れて行きました。
先生は「食べる分にはしばらくは大丈夫でしょう」とのことで点滴だけ打ってもらって帰ってきました。
でも、ボク、疲れちゃったのかニャ?
そして、みなさんを疲れさせて過ぎちゃったのかニャ?
涼子さんが、夜の18:30頃に、「少し出かけてくるからね」と言いました。
その直前に、今までないくらいの声で、ボクは「ニャ〜〜〜〜〜ゴ」と泣きました。
涼子さんは、それを喜んでいいのか悲しんだらいいのか、分からない風情で、でも、お出かけしていきました。
そして、20:00頃に涼子さんがボクの元に帰ってきた時、
ボクは、涼子さんが作ってくれたベッドにそのまま横たわったまま、
天国に旅立っていたのです。
誰の思し召しか、それはボクにも分かりません。
ボクは、それから数時間経った今も、まだそのままの姿勢でいます。
涼子さんが帰宅すると、まず、いつものように、「マローン」と声をかけて、ボクにキスをしました。
そして、ボクの息がないのに気付いて心臓に手を起きました。
でも、天国に行くためには、心臓は止めないといけないのです。
ネコだって人間と同じです。
はっとした涼子さんは、必死にボクを撫でましたが、
ボクは、もう天国への道を歩いていたので、
涼子さんに体でもニャンニャン言葉でも応えることは出来ませんでした。
涼子さんは、しばらく泣きました。
でも、ボクは悲しまないで欲しいのです。
涼子さん以外にも、どんなひとにも、悲しんで欲しくないのです。
ボクは、生後すぐに内臓破裂を起こしたり、その後も家出を何度もしたり、
お騒がせネコです。
今もまさにそうなのかもしれません。
でも、ボクは、みなさんを悲しませるために産まれてきたのではありません。
みんなを楽しませるために、ひょうきんネコとして産まれてきたのです。
だから、人間界で言うところの「お別れ」もひょうきんにしたいのです。
明日から、ボクはどうなるのか。
ボクも分からない。
誰も分からない。
でも、ボクのことを思いだしたら、
「あのマロンったらねえ、最初から最後までお騒がせネコちゃんだったわね」
そうやって、みんな、笑顔で笑って欲しい。
そう心から、ずっとずっと、どこか遠くから、あるいは、もしかしたらとっても近くから?!
でも、ボクはそう思っているのであります。
だから、「さよなら」はボクのブログにはありません。
いつも「こんにちは」なのでありますニャ=^^=
こんにちは、ボクは、マロンです。